年間600万円の節税に成功!歯科医院が「法人化」を決断した理由とは?

経営情報

皆さん、こんにちは。
長崎県佐世保市で節税アドバイスの専門家として税務コンサルタントをしております、翔彩サポート代表の広瀬です。

「法人化すべきかどうか悩んでいる…」そんな不安を抱える歯科医院の院長先生は、決して少なくありません。
実際、今回ご相談いただいた先生も、年商1.2億円・利益3,000万円超という立派な実績を出しながら、「法人化した方がいいのかな?」という声に戸惑いを感じていました。

いざシミュレーションを行ってみると、そこには年間600万円という驚くべき節税効果が待っていたのです。
それでも私たちは、「数字が出たから法人化しましょう」とは言いません。大切なのは、その決断に本当に納得できるかどうか。将来のビジョンや経営スタイルに合った判断こそが、“後悔しない法人化”のカギなのです。

この記事では、実際に法人化を決断された歯科医院のエピソードを通じて、なぜ法人化を選んだのか?どんな不安があったのか?そしてどう乗り越えたのか?リアルな声と共にお届けします。法人化を検討中の先生方にとって、ひとつのヒントになれば幸いです。

「そろそろ法人化したほうがいいのでは?」という声が増えてきたときに考えた医療法人化

2024年のある日、一本のご相談をいただいたことから今回のサポートが始まりました。
お相手は、地域でも高い信頼を集める歯科医院の先生でした。

長年にわたりコツコツと患者さんとの信頼関係を築き上げ、診療体制やスタッフ教育にも丁寧に取り組んでこられた結果、今では年商1.2億円を超える規模にまで成長していました。最終利益も3,000万円以上が安定して残る経営を実現されていました。

そんな中で、同業の先生や知人、取引先の担当者から何度もこんな言葉をかけられるようになったそうです。

「〇〇先生のところって、そろそろ法人化を考えた方がいいんじゃないですか?」

最初のうちは、「そのうち考えよう」と軽く受け流していたそうですが、同じ言葉を何度も耳にするうちに、次第に意識するようになったと言います。

「法人化って、実際どうなんだろう?」
気になり始めた先生は、インターネットで情報を集めたり、書籍を読んだり、税理士にも話を聞いてみたりと、少しずつ行動に移しはじめました。今の時代、検索すればすぐに大量の情報が手に入ります。法人化のメリット・デメリットを紹介するサイトや動画、体験談も数多く存在しています。

けれど、情報が多すぎて、むしろ判断が難しくなってしまうということは、誰しも経験があるのではないでしょうか。先生もまさにその状態でした。

「たしかに税金は安くなるって書いてある。でも、手続きが大変とか、ランニングコストがかかるとか、デメリットの情報もたくさん出てくる…。どれが本当で、どこに注意すればいいのか、分からなくなってしまったんです。」

そして、最終的にはこう感じるようになったそうです。

「法人化って、本当に“得”なのか?いや、それどころか、逆に損するリスクがあるのでは?」

情報を集めるほどに、決断することへの怖さや不安ばかりが膨らんでいったというのが、当時の率直な心境だったと話してくれました。

年間600万円の節税の可能性。でも、それだけでは法人化の決断にはつながらない

法人化のご相談をいただいた際、まず最初に私が行ったのは、現状の税負担と法人化後のシミュレーションの比較でした。どんなに悩んでいても「現実にどれだけの違いが出るのか」を数字で見てみると、初めてイメージが具体化されることが多いです。

実際に試算してみた結果、
やはりこの先生のケースでは、明らかに法人化による節税効果が大きいということが分かりました。

個人事業のままの場合(現在の状況)

年間の税負担合計:約1,500万円。
※自費収入が1,000万円以上あることもあり、相応の所得税・住民税・事業税などがかかってきます。
(※なお、この時点では消費税の影響は除外して計算)

法人化した場合の試算結果

年間の税負担合計:約850万円。
その内訳は以下の通りです。

  • 法人税:約630万円
  • 所得税(役員報酬に対する):約220万円

「数字だけ」で法人化を勧めない

つまり、法人化を実行することで、1年間だけでも約600万円の節税が実現できるという計算になります。
これは、5年スパンで見れば約3,000万円、10年で6,000万円というインパクトになる可能性もあるということです。

また、法人化によって2年間(実際には19ヶ月間)消費税が免除されるという特典も受けられるため、ここでもさらに節税効果が期待できます。このように、数字上のメリットだけを見れば「すぐに法人化すべきでは?」と誰もが思うかもしれません。

ですが、私はここで安易に、

「600万円も税金が安くなりますよ。今すぐ法人化しましょう!」

とお伝えすることは絶対にしません。なぜなら、法人化は節税の“目的”ではなく、“手段”にすぎないからです。
法人化することで確かに税金は軽くなるかもしれません。

しかし、その一方で経営スタイルは変わり、手続きや管理業務も増える可能性があります。法人として新たな責任が発生することや、金融機関や取引先との関係性に微妙な変化が出ることもゼロではありません。数字のメリットだけに目を奪われてしまうと、後から「こんなはずじゃなかった…」という後悔に繋がる可能性があります。

不安を解消するのは「数字」ではなく「納得感」

先生が安心して決断できるように、私は法人化に関する全体像をわかりやすく整理してご説明しました。

例えば…

  • 個人事業と法人化の税金負担の比較
  • 法人化によって何が変わるか(給与、社会保険、決算など)
  • 医療法人設立のための費用と期間
  • 法人化後に生じる新たな業務負担の有無
  • スタッフ雇用・家族への所得分散がどう変わるか

そして、ヒアリングを通じて明確になったこと。

▶ 法人化にあたってデメリットは“ゼロ”
これが見えた時、先生の表情が変わりました。

法人化を決断。「こんなに安心できるとは思わなかった」

最終的に先生は、ご自身の意思で法人化を決断されました。その後、法人設立の手続きを無事に終え、現在は新たなステージでの経営がスタートしています。

後日、こんな言葉をいただきました。

「法人化って、税金のことだけ見て判断するものだと思っていました。
でも広瀬さんは、経営全体の視点から“本当に進めるべきか”を一緒に考えてくれた。
それが本当にありがたかったです。数字より“安心”が大きかった。」

この言葉は、私の心にも深く残っています。

法人化は「経営の目的」に合わせた手段

「法人化=節税」と思われがちですが、それは一側面にすぎません。
私が見てきた中でも、法人化を検討される先生の理由はさまざまです。

  • 税金の負担を減らしたい
  • 将来、分院展開や事業拡大を考えている
  • スタッフの待遇改善・福利厚生を整えたい
  • 家族に所得を分散して安定した生活基盤を築きたい
  • 引退後を見据えて、資産形成・承継対策をしておきたい

こうした目標に向けて、法人化が“最適な選択肢”であるならば、私は全力でサポートさせていただきます。

でもその判断は、数字だけではできません。


翔彩サポートでは、数字と“心”の両方を大切にします

私は、「税理士ではなく、経営パートナーでありたい」と思っています。
だからこそ、法人化のご相談でも

  • どんな目的で法人化を考えているのか
  • ご家族やスタッフとの関係性
  • いまの経営にどんな不安や課題を感じているのか

といった部分までじっくりお話を伺いながら、一緒に答えを探していきます。
「数字上はメリットがある。でも何となく不安…」そんな時こそ、翔彩サポートにご相談ください。

先生にとって“本当に納得できる判断”ができるよう、全力でお手伝いします。

監修者情報

経営コンサルタント         翔彩サポート 代表 広瀬祐樹

【経営分析×経営アドバイス×財務管理】による永続的に繁栄する経営体制を支援。

経営について悩んでいることがあれば、どんなことでも構いません。お気軽にご相談ください。